注意喚起
一人親方と交通事故
一人親方と交通事故に遭ったとき、そして一人親方が交通事故を起こしてしまったとき、一般的な会社員とは少し条件が変わります。
一人親方は個人事業主であるので、労災や休業補償などの扱いが違いますし、免停などを食らってしまった場合には目も当てられません。
そして交通事故は加害者になることも被害者になることも考えられます。結果も対応も変わりますので、それぞれの場合について個別に見てみましょう。
一人親方が交通事故の加害者になった場合
一人親方が交通事故の加害者になった場合について考えてみます。
建設業の一人親方は自動車での移動が多く、加害者になる可能性は低くありません。
一般的に交通事故で心配しなければならない問題はお金ですが、自動車保険の内容を充実させていれば気にする必要はありません。
一人親方が心配しなければならないのは、免停や免取などの行政処分です。
相手の賠償は保険で相殺できる
まず怪我をさせて治療費と慰謝料が発生したり、対自動車の事故で相手の自動車の修理費用がかかった場合についてです。
基本的に自動車保険に対人対物無制限で加入している人が大多数だと思いますので、相手への補償については心配ありません。そして加害者である場合は、過失割合で不要に揉めないようにしましょう。
なぜなら2:8でも3:7でも、過失割合が逆転して9:1であっても、保険を使う限りあなたが最終的に支払う金額は変わらないからです。
それより個人事業主はとても忙しいので、保険会社にお任せをしてさっさと交渉は終わらせてしまった方がいいでしょう。
交通事故の時に余計な心配をしなくていいように、間違いなく対人対物は無制限で入っておきましょう。
自分の車の修理や怪我をした場合の治療費
交通事故では相手への賠償の他にも、お金が必要です。自分の車の修理費と、自分が怪我をした場合の治療費です。
まず自動車の修理費ですが、自動車の修理費は自動車保険の車両保険でまかなえます。
車両保険には
- 一般
- 車対車+A
が存在します。一般は免責事項(地震など)を除けば、ほぼ100%の事故で修理費がでるもので、車対車+Aは自損事故や当て逃げでは補償されないタイプの車両保険で、一般と比べると保険料は6割程度に抑えられます。
車対車+Aは、対自動車の事故では効果を発揮しますが、対人もしくは対自転車での事故では、車体の修理の費用は出ませんので注意が必要です。
そして自分の治療費についてですが、相手に過失がある場合は、その分の治療費が相手の自賠責保険に請求できます。しかし自分の過失割合の分は相手の保険へ請求はせきません。
この時、自分の自動車保険で人身傷害に加入していれば、自分の治療費を自分の保険へ請求ができます。これが原因で等級が下がることもありません。
もしこちらが完全に悪くて、過失割合が10:0になったとして、人身傷害に加入していなかった場合は、健康保険を使って治療します。その場合は3割の負担が必要になります。
加害者の場合は大きな修理や大きな怪我になる可能性は低いですが、備えておくに越したことはないでしょう。
問題は罰金と免停になる可能性
ここまでの内容では加害者になっても大きな問題はありませんが、一人親方にとって致命的になりかねないのが行政処分です。
交通事故は相手への損害賠償の他に、行政の処分に注意すべきでしょう。
相手に怪我をさせてしまえば、業務上過失致傷罪に問われ、ほとんどの場合で罰金および免停や免取になります。
罰金はお金を支払えばなんとかなりますが、免許停止や免許取り消しになってしまえば、一人親方にとっては、大きな痛手ではないでしょうか?
ですからまず事故を起こさないことが大切ですが、誰も事故を起こしたくて起こしているわけではありません。どれだけ気をつけていても交通事故の加害者になる可能性は誰にでもあります。
事故を起こしてしまった場合に行政処分を免れるには、人身事故にさせない努力をしましょう。
交通事故は被害者の手続き次第で、物損事故か人身事故に分かれます。被害者が軽傷であった場合には、被害者が警察に人身事故として申請しなければ物損事故として済むこともある。
これは被害者の意思次第です。
そのためには事故がおきた時の対応や、事故後の被害者への気遣いがとても大切です。
そのためには事故がおきた時の対応や、事故後の被害者への気遣いがとても大切です。
「運転できなければ仕事ができないので物損事故で済ませてほしい」と正直に伝えるべきでしょう。
一人親方にとっては、人身事故になるか物損事故になるかどうかは死活問題です。
重症の場合は人身事故になることはさけられませんが、軽傷の場合はできるかぎりの努力をしましょう。
一人親方が交通事故の被害者になった場合
一人親方は交通事故の被害者になった場合にも、一般の方とは少し異なります。休業した場合の損害が大きく変わるからです。
企業で働いていれば、怪我をしてでもできる仕事で給料はもらえるでしょう。
しかし現場で働く一人親方は、現場に出れなければ収入がゼロです。ですから休業中の損害は相手に補償してもらうことになります。
怪我の治療費
自動車に轢かれた場合、多かれ少なかれ怪我をするでしょう。
その場合の病院に支払う治療費ですが、相手側の保険会社が支払ってもらえます。
現在では保険会社にどの病院にいくのかを事前に伝えておけば、保険会社が事前に連絡を入れてくれ、窓口での支払いをしなくていいように準備をしてくれます。
最初から治療費の請求を保険会社にしてくれるということです。
このように怪我の治療費は心配しなくてもいいでしょう。
仕事ができない怪我の場合
そして一人親方にとって大切なのが、骨折などの怪我によって仕事に復帰できない場合の補償についてです。
事故が原因でドクターストップがかけられて、仕事ができなくなった場合は、休業損害として相手に請求できます。休業損害は休業した日数分、怪我をしなければ支払われていたであろう収入を補償するものです。
会社員の場合は、日給や月給などがきまっており計算も容易ですが、一人親方の場合は仕事によっても単価が変わりますし、特殊な計算方法になります。一般的な計算方法は
1日あたりの休業損害=事故前年の事業所得金額+事業専従者控除額or青色申告特別控除額)÷365日
となります。前年1年間の所得を365分割したもので、1日分の収入を計算する方法です。
この方法は問題もあって、閑散期と繁忙期の区別がありません。もし繁忙期に働けなかった場合には、この計算方法では十分な補償が受けられない可能性もあります。
その場合は月毎に前年の収入を計算して、請求することもできますが、そのためには証明になるものも必要です。1年を等分割する計算方法では所得証明だけで大丈夫ですが、月毎に計算する方法では決算書や確定申告などの繁忙期を証明する書類を出す必要もあるでしょう
自動車などの修理費用
治療費の他にも請求できるものはたくさんあり、交通事故で破損したものは全て請求できます。例えば自動車の修理代はもちろん、車内に積んでいた資材や工具なども該当するので、決して泣き寝入りをせずに、請求してみることをおすすめします。
通勤中であれば一人親方の労災は使える
一人親方での特別加入として労災に加入できます。
現場に向かう途中、もしくは現場から自宅に帰る道中であれば労災を使えます。
ただし労災手続きは、現場の元請の労災を使う可能性もあり、労災の手続きを嫌う元請の場合は注意が必要です。
もし自賠責や相手の保険で、治療費の補償ができるのなら、労災については手続きする必要がありません。
相手が保険に未加入であったり、支払いを渋った場合には仕方がありませんが、労災に頼らなくていい場合は請求しない方がいいでしょう。
まとめ
一人親方にとって交通事故の影響で怖いのは、仕事への影響が出るところです。
賠償金など金銭的なトラブルは自動車保険によって補償されますが、行政的な処分や怪我で仕事ができないという影響は十分な注意が必要です。
休業損害は相手の保険でどうにかなるとしても、そのあと復帰した際に、仕事がスムーズにもらえるか。途中までやっている仕事は誰が引き継ぐのかを考えておくべきでしょう。
行政処分によりクルマが運転できなくなった場合は、休業補償もでません。こればかりはどのような対策もできませんので、日頃から安全運転を心がけ事故をしないことが大切です。
そして事故を起こしてしまった場合は人身事故にならないように、最前を尽くしましょう。
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著者紹介 社会保険労務士 一人親方労災保険コンサルタント 埼玉労災一人親方部会 理事長 一般社団法人埼玉労災事業主協会 代表理事 1962年生まれ。立命館大学産業社会学部卒。一部上場メーカー勤務を経て20代で独立。以来社労士歴30年、労災保険特別加入団体運用歴10年。マスメディアのコメント、インタビュー掲載歴多数。本人はいたって控えめで目立つことは嫌い。妻、ネコ3匹と暮らす。
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