役立ち情報
一人親方として生きていく上で、必須の条件が多能工化です。
多能工化とは1人で複数の業務を請け負うことです。この逆を単能工といいます。
一般的な職人さんだと単能工が普通ですが、それだけだと生活が成り立たない一人親方さんもいらっしゃるし、たまたま依頼されてやっていくうちに専門分野が増えたという方も少なくない。
ではどうやって単能工から多能工化するのか、そのメリットやデメリットについて書いていきます。
多能工の一人親方とは
現在、多能工化する一人親方が増えています。
なぜならその方が仕事がもらいやすいからなんですね。例えば1つの工事しかできない人であれば、企業としては仕事が依頼する範囲が減るわけですし、いろんな仕事の依頼が来ても場合によっては断らざるを得ない仕事もあるでしょう。
でももし技術的にできる仕事であれば、仕事を断らずに受けることができます。つまり収入アップや信頼度もアップが可能だということ。
そしてこれから先は多能工化しないと一人親方には厳しくなっていく時代かもしれません。
なぜなら多能工化していく一人親方が多い中で、一つの仕事しか受けられない人は元請けからすると面倒な職人になっていくからです。どういうことかというと、3つの仕事が会った時に多能工化している人なら全部まとめて依頼できる可能性がありますよね?しかし単能工であれば、3人の職人に依頼する必要があります。
もし仕事の能力が同じで単価も同じ場合、企業としてどちらにお願いがしたくなるでしょうか?おそらく多能工化している一人親方に依頼が集まるはずです。
もちろん便利さだけが、仕事以来の条件ではありませんし、付き合いがあるから依頼をしてくれている会社さんもたくさんあるでしょう。しかし現実問題として担当が変わったりであるとか、時代の流れとともに人数制限もありますし、どうしても多能工の一人親方に依頼せざるを得ない場合も出てくるでしょう。
そうなった時に次から依頼されるのは多能工化された一人親方になってしまう可能性もあります。
もしくは何かトラブルが起きた際には、以前であれば続けて依頼をいただいていたかもしれないけど、多能工化していない場合はそれを理由に避けられるケースも出てくるでしょう。
つまり一人親方としてこれからも生きていく場合、相当自分の仕事に他との差別化ができていない限り、多能工化がは必然と言ってもいいでしょう。
多能工化する方法
多能工する。とは一言にいってもたくさんの手法があります。
自分で多能工化するというよりは成り行きで多能工化する人もいるし、場合によってはグループとして多能工化する場合も。
どのパターンに当てはまるかわかりませんが、具体的には下記のような多能工化が存在します。
複数の専門技能がある多能工
1人で複数の専門技能をもっているタイプ。リニューアル工事、設備工事、電気工事などの専門工事のまとまりの中で、何回かに分けて教育訓練を受けるケースが多い。
グループで多能工的に活動している職人
複数の専門職が協働し、多能工グループとして活動しているケース。それぞれの専門職種が他を補助することで待ち時間を減らし、全体で生産性を上げることを目的とする。
水平展開型の多能工
ひとつの技術に熟練した上で、関連業務に水平展開していくタイプ。住宅建築で多く見られ、ボード、フローリング貼り、サッシの取り付け、水回り設備の取り付けなど、「受注した仕事」に必要とされる技能を習得していくケースが多い。
工程横断型の多能工
型枠と造作工事、設備と仕上げ工事など、工程の区分を超えて、連続的に工事を請け負うことのできる多能工。2つの工事の取合いが多い部分を受持ったり、新技術を核にし、それに関わる周辺工事全般を受け持つなどのケースもある。
偶発的作業に対する能力のある多能工
計画上はなくても、しばしば起こる偶発的な作業に対応できるスキルのある多能工。
垂直展開型の多能工
設計から施工、管理といった工程を、能力の高い個人が自前で担ったり、ひとつのグループがまとめて請け負い完結させるようなケース。
多能工化のメリット
多能工化は基本的にメリットが多いです。羅列してみると
- 付加価値がつくので仕事が集まりやすくなる
- 依頼を断らなくていい
- 収入が増える
- 仕事を振る側になれる
- 元請になる道も
などが挙げられます。
まず付加価値がつくという点。付加価値というのは、一般的な職人にはない価値のこと。つまり付加価値があるから呼ばれる。つまり仕事の依頼が来る理由になるということですね。例えばその日現場で3種類の仕事があったとき、多能工化している一人親方に依頼すれば、依頼はひとりにすれば仕事が終えられます。しかし単能工であれば3人の職人さんを呼ばなければならない、人が増えるとともに事務的な仕事量も増えます。
こういったことが現場で複数起きた場合、作業量を減らすためにも、多能工の一人親方を読んだ方が元請としては楽ですよね。
元請けを楽させることはそれは付加価値につながります。そして各分野それぞれで譲り合い人間関係を気付き上げる必要もなく、容量よく仕事をこなすこともできます。1人でやっているので意思の疎通が必要ありません。段取りもスムーズ。
つまり付加価値がつくので、仕事の依頼が増えやすくなるでしょう。そして場合によっては単価が多少高くても、依頼が集まる可能性があります。なぜなら事務職からすれば手続きが楽な方がいいわけです。そして予算内に収まればいい。つまり多能工化していると、より単価をたかくして仕事を受けられる可能性すらあります。
そして依頼を断らなくていいというメリットもあります。複数の仕事の依頼が来たとき、できない仕事があれば断らざるを得ない。しかし多能工化していてどの仕事も受けられる場合、全ての仕事を自分で受けることができます。
この点でも受ける仕事量が増えることになるでしょう。そして一旦受けておいて本当に仕事が忙しけらば、仕事を誰かに振ることもできる。まさにこれがグループ化での多能工化です。それぞれの一人親方の繋がりで仕事を受注して、その仕事を得意な人間にふる。そうすることでグループ内の仕事量を増やすことができるし、忙しすぎて断る仕事をすら出てくるかもしれません。
その結果もちろん収入は増えるでしょう。自分が能力を増やし多能工化した場合ももちろん、グループでの多能工化をすれば「あの人に依頼すれば職人が見つかる」と思う元請けが増えるので、仕事を集まりやすくなります。
そしてグループでの多能工化が実現したり、1人で多能工化した場合においても、仕事が集まるのは必然のこと。そうなれば仕事を受けるために職人を雇い組織を大きくしていくこともできます。
1人の力では収入の限界もありますが、ある程度の責任を背負うことで、さらに収入を大きくしていけるということ。そのためには多能工化をして、仕事を受ける範囲を広げる。そして仕事が集まれば人に振る。増えてくれば雇う。この順番で組織化も可能です。
そして最後にある程度大きい仕事を受けられるようになれば、縦方向の多能工化も考えるといいでしょう。職種や技能を増やすことが横方向とすれば、設計や営業など元請になれるような多能工化もできます。
組織が大きければ大きくなるほど、元請けとしての可能性が広がり建築業許可なども必要ですが、組織として大きく成長していくには元請けになることは必須でしょう。
もちろん多能工化してそのまま1人でやっていくことも可能。多能工化は選択肢を広げる手段であるといえます。
多能工化デメリット
ただし多能工化にはデメリットもあります。具体的には
- 取得すべき技能が増える
- 必要な機材や工具も増える
- 忙しくなる
- 責任の範囲が増える
などが挙げられます。
まず誰でも予想がつくことですが、技能を覚えるためには努力も時間も必要です。ただでさえ忙しく失敗が許されない建設業において新たに技術を覚えることは容易ではありません。
一人親方になっている場合はただでさえ、年齢は重ねているはず。なので新しく技能を覚えることは少し困難でしょう。そして職種によっては工具なども変わりますので、新しい工具を揃える必要もありそうです。それに合わせて移動車も変更せざるを得ない可能性もあるでしょう。金銭的なデメリットも考えられます。
そして場合によっては忙しくなることも。別にそこまで稼がなくてもいいやと思っている人からすると、忙しくなるのは受け入れられないかもしれません。
そしてグループ化するにせよ、個人で多能効果するにせよ、責任が増えるのは間違いありません。なぜなら複数の仕事を受ける問うことはその段取りなどを一挙に担うことになります。1人で単能工としてやっている時に比べると、現場監督がやっていた作業管理も自分で管理する必要も出てくるでしょう。つまり責任の範囲が増えるということです。
多能工化にはメリットもありますが、デメリットもあるということは覚えておいてください。
まとめ
一人親方で多能工化するのは基本的にメリットが多いでしょう。
収入を増やしたり、将来への不安があったり、組織化や元請けになるなどに近づく手段にもなり得ます。ただそこまで意識高い訳ではない人にとって、多能工化はデメリットなのかもしれません。ただしそれでも未来において多能工化しておけば安定しやすいとうメリットはありますので、多能工化するに越したことはないでしょう。
チャンスがあればどんどん自分の分野から少し出て作業を請け負ってみてもいいかもしれません。
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著者紹介 社会保険労務士 一人親方労災保険コンサルタント 埼玉労災一人親方部会 理事長 一般社団法人埼玉労災事業主協会 代表理事 1962年生まれ。立命館大学産業社会学部卒。一部上場メーカー勤務を経て20代で独立。以来社労士歴30年、労災保険特別加入団体運用歴10年。マスメディアのコメント、インタビュー掲載歴多数。本人はいたって控えめで目立つことは嫌い。妻、ネコ3匹と暮らす。
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